「RIZIN.45」の堀口恭司と朝倉海の勝利を格闘技解説者が分析 強さに「驚いた」敗者についても語った (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――戻し体重が68キロ、試合の1時間前に計量が行なわれましたが、この影響は?

「当然、キツいと思います。控室でアーチュレッタ選手を見た時もかなり汗を出して、何度も体重を測っていた。体重調整には相当苦労していたと思います」

――海選手が勝利し、2度目の王座戴冠。ある意味で"最も平和な結末"に落ち着きました。

「そうですね。アーチュレッタ選手の体重超過がなく、得意なスタイルで戦っていたらどうなっていたのかは気になる点ではありますが、こればかりは"たられば"になりますから。海選手がしっかり勝ちきったことが大きい。海外挑戦を口にしていますから、次のステップを期待したいです」

――他に大沢さんが気になった試合はありますか?

「扇久保選手がジョン・ドッドソン選手に勝利した試合です。彼は2016年に、UFCの登竜門『TUF』で現UFC世界王者のアレッシャンドリ・パントージャにも勝っている。これを言うと、『まだそんな過去のことを言っているのか』とSNSなどで指摘されるんですけどね(笑)。今回は、過去にUFC世界王座に2回挑戦したドッドソンに勝利したわけですから、あらためて扇久保選手の強さを感じましたね」

――扇久保選手は「TUF」で準優勝を果たしながら、UFCと契約には至らなかった悔しさがあるだけに、一段と気持ちが入っていたでしょうね。

「あの魂のタックル、本当によかったです。今回の勝利はもっと評価されていいんですけどね......。適性階級のフライ級に戻した扇久保選手の活躍には、今後も期待しています」

(後編:朝倉未来戦も現実味の平本蓮が狙った「確実な勝利」 YA-MANは善戦も、「MMAは時間がかかる」>>)

RIZIN公式サイト>>

【プロフィール】
大沢ケンジ

1976年11月4日生まれ、東京都出身の元格闘家。第9回全日本アマチュア修斗選手権 フェザー級優勝。和術慧舟會HEARTS主宰。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る