「RIZIN.45」の堀口恭司と朝倉海の勝利を格闘技解説者が分析 強さに「驚いた」敗者についても語った (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――そんな神龍選手から1本を取った堀口選手の勝因は?

「打撃、組み、寝技、どれもハイレベルであることはもちろんですが、やっぱり勝負所での組みの強さですね。ロープ際で崩して、上を取ってからフィニッシュ。優位なポジションでの強さは盤石です」

――この試合は33歳の堀口選手に対して、23歳の神龍選手が「世代交代」を掲げた一戦でもありました。個人差もあると思いますが、MMAだと30代中盤にかけてピークを迎える選手も多い印象があります。

「そうですね。確かUFCの軽量級では、35歳以上の選手がタイトルマッチで長く勝てていないというデータがあったんじゃないかと。軽量級はスピードや反応が重要な要素だけど、加齢の影響で落ちてくる。当然、試合数やダメージなどの差はあるにしても、35歳を超えたあたりから衰えを感じてくる選手が多いような気がします。33歳だったらまだ大丈夫だと思いますし、堀口選手ならもっと楽しませてくれるでしょう」

――堀口選手は勝利後、リング上でプロポーズというサプライズもありましたね。

「ホント、素敵な大晦日になって何よりですよ!(笑)」

【朝倉海の膝が決まったワケ】

――続いては、セミファイナルのバンタム級タイトルマッチについて伺います。前日軽量でフアン・アーチュレッタ選手に体重超過がありました(※)が、朝倉海選手が2ラウンドでTKO勝ちを収めました。

(※)前日計量で契約体重の61キロを2.8キロオーバー。両者の交渉の末、試合1時間前の計量で68キロ未満であれば試合を実施することに。朝倉が勝った場合は新王者に、アーチュレッタが勝った場合はノーコンテスト、王座は空位という条件で行なわれた。

「アーチュレッタ選手は体重超過したことで、レッドカード(50%の減点)からスタートしたので、勝つためにはKOか1本を狙わざるを得なかった。それもあって、得意とするレスリング主体の戦い方ではなく、スタンドでの勝負を選んで積極的に前に出ました。そこに海選手がドンピシャでテンカオ(膝蹴り)が入りましたね」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る