オカダ・カズチカがアントニオ猪木に聞きたかったこと。プロレス人気の拡大へ取り組む「育成」とその狙い (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――発掘プロジェクトの様子はテレビで放送されます。その反響などで期待することは?

「もちろんプロレスファンにも見てもらいたいですが、"にわかファン"の人が増えて、その中から『プロレスラーになりたい』と思う人が出てきてくれるとうれしいです。そのためには、僕たち現役のプロレスラーがリング上で夢を与えることも必要。『オカダみたいになりたい』というように、プロレスラーが憧れの存在になるように頑張らないといけないですね」

――ちなみに発掘プロジェクトで練習生になった人の中に、最初からスクワットが500回できた人はいたんですか?

「いましたよ。でも、体力は後からいくらでもついてくると思っているので、今は出来なくても気にしていません。大事なのは、できるようになるまでの過程。その日は200回しかできなくても、次に250回できればいい。そういった努力の仕方を教えていきたいです」

――スクワット500回というのは、どういった意味があるんですか?

「単純に足の筋力を鍛えるのであれば、バーベル・スクワットをやったほうが効率はいいでしょう。でも、スクワット500回を達成することは精神面を鍛える意味もある。漫画の『SLAM DUNK』(集英社)の名言ではないですが、僕たちプロレスラーも『諦めたら終わり』なので。諦めたら3カウントもすぐに入ってしまう。古い方法と思う人もいるかもしれませんが、僕は重要なことだと思っています」

――発掘した練習生に期待することは?

「発掘プロジェクトは、新日本プロレスの入門テストを受けるまでは追います。でも、そこからデビューするまでは僕も特別に目をかけることはなくなります。ただ、僕が自信持って『どうぞ』と紹介できる練習生が揃っているので、入門からデビューまではサクッと行けるんじゃないかなと。みなさんもデビューを楽しみにしていてほしいですし、ぜひ応援してください!」

――オカダ選手が見出したということで、最初から注目度も高くなるでしょうね。

「今までもヤングライオンに指導をしたことがないわけではありませんが、こんなに近い距離で教えることはなかったので、本当に弟子のような感じ。性格、バラエティーに富んだ子たちがいるので、面白いと思いますよ」

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