オカダ・カズチカがアントニオ猪木に聞きたかったこと。プロレス人気の拡大へ取り組む「育成」とその狙い (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【オカダ自身が次世代レスラーを発掘&育成】

――猪木さんの"闘魂"を受け継ついでいくべく、オカダ選手をリーダーにした次世代スター発掘プロジェクトも始まりました(『THEスピリット~闘魂レスラー発掘プロジェクト~』(フジテレビ)。2023年1月9日から放送スタート)。どのくらい応募がありましたか?

「今回は、『年齢・身長・体重の制限なし』という特別な条件にしたんですが、300人を超える応募がありました。1歳の子供からの応募もありましたね(笑)」

――親がプロレスファンなのでしょうか(笑)。そこから、書類と面談を突破して練習生となったのは?

「10人です」

――選考ではどこを見ましたか?

「写真は雰囲気を見ました。見た目のよさという意味ではなく、惹きつけられるものがあるかどうか。周囲からの見られ方、自分の見せ方をわかっているかは写真でもわかりますから。プロレスラーってそこが大事。360度すべてから見られているので、佇まい、その人が持つ雰囲気は重視すべきところだと思っています」

――身体的能力については?

「ひとつでも秀でたものがあったほうがいいのは確かです。ウィークポイントがあってもそれを補うものがあると強いですね。自分ではなかなか見つけられないと思うので、それを発見する手伝いをしていきたいです」

――なぜ、オカダ選手自ら次世代発掘プロジェクトをやろうと考えたんですか?

「単純に『レスラーを育ててみたい』という思いもあったんですが、プロレスの世界に入るためには何をすればいいのかを知ってもらいたい部分もありました。野球やサッカーなどはトライアウトなどがあって、それに向けた対策や練習もできる。でも、プロレスはそれがないですから、もっとオープンにしたいと思ったんです。新日本プロレスの入門テストに受かるにはこれが出来ないとダメなんだ、というひとつの指標になるんじゃないかと。

 入門したあとのことも、なんとなくわかってもらえるかなと思います。例えば、プロレスラーはスクワットを500回やっている、ブリッジを3分間やると言われても、『本当に?』と疑問に思う人もいるはず。それは実際にやっていて、そういうことを知ったら、『そんなにキツいなら嫌だ』となっちゃうかもしれないですけどね(笑)。でも、逆にプロレスラーのすごさをわかってもらえるとも思います」

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