髙橋藍は男子バレー日本代表の「攻守の要」 同ポジションの2mの新星は「羨ましくもあるけど......」 (2ページ目)

  • 中西美雁●文・撮影 text & photo by Nakanishi Mikari

 そんなシーンは、日本代表の親善試合でも見られた。6月1、2日に行なわれたポーランドとの親善試合で、髙橋は何本もサーブで相手を崩し、得点につなげている。

 現代バレーでは自チームにサーブ権がある時の得点、「ブレイク」が勝敗を大きく左右するため、サーブで崩すことは必須となる。同時に、相手のサーブに崩されないサーブレシーブ力も必要なため、それらを兼ね備えた髙橋は"日本の攻守の要"と言ってもいいだろう。

 課題だった前衛での攻撃についても、「(イタリアのリーグで)常に高いブロックを相手にしているので、いかにそれをかわすか、あるいは利用するかを試行錯誤し続けてきました。間違いなく昨年よりも成長できたと思います」と胸を張った。

 リーグ挑戦1年目はなかなか出場機会が得られず、久しぶりの出場がリベロとしての出場だったりと苦しい時期もあった。1年目はインカレが終わってからチームに合流したが、石川のアドバイスもあり、2年目からはシーズンの最初からチームに合流。そこで存在感を示し、チームメイトやコーチとのコミュニケーションもしっかり取って、開幕から主力として活躍することができた。

 VNLの第1週のメンバーで同じポジションに抜擢された甲斐は、髙橋が合流したばかりの紅白戦で「Aチーム」に入っていた。そんな甲斐について、髙橋はこう話す。

「もちろん、うかうかはできませんが、バチバチするのではなくて切磋琢磨しながら伸びていければいいと思います。自分の特長をきちんと把握して、それを伸ばしていけば焦る必要はまったくない。甲斐選手は身長が高くてスパイクの打点も高く、ブロックも高いのでそのあたりは僕にないところ。羨ましくもあります。でも、僕がそれを補ってあまりあるくらいの力をつければいい。だから、心配はしていませんね」

 ポーランドとの親善試合では髙橋がスタメンに復帰。1日目は石川と対角を組んでポーランドを破っている。石川が欠場した2日目は高梨健太や甲斐優斗らと対角を組んだが、なかなかサーブレシーブでカバーしきれず、1-3で敗れた。

「(2日目の負けは)祐希さんがいなかったから、というのを言い訳にしてはいけない。僕もサーブレシーブが少し乱れてしまい、セッターに迷惑をかけてしまいました。連携、コンビについても詰めないといけないですね。

 ポーランドは世界ランキング1位のチーム。日本で活躍する主将のバルトシュ・クレク(ウルフドッグス名古屋)らがいなくても、本当に強い。そういうチームと、この時期に親善試合ができたことは、すごくいい経験になりました」

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