「スポンサーがなくなって、本当によかった」錦織圭が絶賛したフォアの持ち主・綿貫陽介の才能がようやく開花した (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

【IMGと決別して新たな道へ】

 加えて「エネルギーのタンクを大きくした」ことにより、連戦にも耐えられるようになった。昨年11月、ATPチャレンジャー大会に4週連続で出場し、2度優勝、一度の準優勝という好成績を残している。

 今回の全豪オープンで予選から勝ち抜き本戦2回戦に達したのは、フィジカル強化により蘇ったフォアと、蓄えの増えたエネルギーの賜物だ。

 今年、綿貫は自らIMGとも決別し、自身の足で歩む決断を自ら下したという。今シーズンの目標は70位──。

 周囲の期待や本人の予想より、時間はかかったかもしれない。それでも急成長の季節を経た今、錦織も認めた才能は、ようやく花を咲かせ始めた。

【筆者プロフィール】内田暁(うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。

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