ラグビー界の古い慣例を覆した「移籍は悪いことじゃない」梶村祐介のターニングポイントとなった「妻の後押し」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「正直、当時は『移籍したい』と言いつつもあんまりいいイメージはなく、なんだかんだ言ったって最初に入ったチームで終わるのが一番いいと思っていました。ですが、今では『移籍はプロの権利』なので、別に悪いことではない。いろんなチームに渡り歩いて活躍している選手もいるので、とてもいい傾向だと思っています」

── しかもイーグルスには、10番に日本代表70キャップの田村優選手がいて、13番に南アフリカ代表58キャップのCTBジェシー・クリエル選手が在籍しています。ふたりに挟まれて12番でプレーしている心境はどうですか?

「本当に恵まれていると思いますね。(田村)優さんはアタックに関して何でもできるので言うこともありませんし、今季はディフェンスでもチームをリードしてくれています。優さんについていくためには、自分もスキルを上げないといけない。優さんは僕のスタンダードを上げてくれる選手です。

 一方、ジェシーはフットワークとボールを持っていない時のワークレイトがすごく高い選手。ディフェンス時の味方のコントロールもすごく、ディフェンスが突破されても一番に自陣に戻ります。そういうところは、身体能力に関係なくできるメンタルの分野ですよね。

 僕が目標としている選手は、CTB立川(理道/クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)さんとCTB村田(大志/元サンゴリアス)さん。相手が嫌がることをやり続けるという点では、ジェシーはそのふたりにも共通しています」

── 今季からキャプテンにも就任しました。

「以前の自分だと、パフォーマンスのいい試合が続いていても、いきなりパフォーマンスの悪い試合になったりしていました。しかし、今季はそこまで悪かったという試合があまりないので、パフォーマンスに一貫性が出てきたと感じています。

 プレーが安定しているのは、チームにとてもいいこと。キャプテンになったことで負けが続くとストレスにもなったりしますが、しっかりとパフォーマンスで引っ張っていきたいです」

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る