稲垣啓太は復帰後も笑わない。日本代表に厳しい意見「これじゃオールブラックスに勝てない」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

NZ代表とは過去0勝6敗

 オーストラリアA代表との3連戦では、夏のシリーズはケガなどでスコッド外となっていたNo.8(ナンバーエイト)姫野和樹、SH(スクラムハーフ)流大、WTB(ウィング)松島幸太朗ら中軸が復帰。また、ノンキャップながら3試合連続出場を果たした若手のFL(フランカー)下川甲嗣らも台頭してきた。稲垣は「ようやくじゃないですか? 自分たちを信じてやるしかない」と手応えも口にした。

 いよいよ2週間後から、テストマッチ3連戦が始まる。

「自分の役割を全うすることが大事。臨機応援にやる必要はあるが、自分のプレーができていないのに余計なことをすると本末転倒ですよね。(ラグビーは)15人でやるスポーツなので、一人ひとりの能力が上がらないとチームは強くならない。かつ(個々が)100%自分のプレー、役割を遂行してこそ、チームの歯車が回る」(稲垣)

 10月29日に戦うオールブラックスとは、過去0勝6敗と一度も勝ったことがない。2023年ワールカップでベスト4以上を狙う日本代表にとって、現在地を図る格好の試金石となるだろう。

「何を求めるのか。勝ちを求めるしかない。本当のテストマッチなので、どのチームでも勝つ」

 稲垣は笑わず、まっすぐ前を向いた。

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