バスケ日本代表、W杯での成否のカギは? 富永啓生が体現するチームのスタイル (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka kenzaburo

【富永と河村の相性はバッチリ】

 そして3Pを語るうえで見逃せないのは、アンゴラ戦とフランス戦でそれぞれチームトップの20得点を記録した富永啓生(SG/ネブラスカ大)の存在の大きさが示されたことだ。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 富永はアンゴラ戦で14本中6本、フランス戦で10本中4本と、いずれも4割以上の確率で3Pを決めている。なかには3Pラインからかなり離れた場所から決めた「ディープスリー」もあった。3Pシューターにはどれだけ外しても打ち続けるメンタリティが必要だが、富永はこのチームでそれをもっとも体現しており、味方にも精神的な影響を及ぼしている。

 富永は有明のすべての試合で河村勇輝(PG/横浜ビー・コルセアーズ)と先発ガードデュオを組んで出場している。代表での河村はベンチからの登場が大半だったが、富永のディフェンスの弱さを補完する意味もあっての先発起用だった。

 このふたりは誕生日が3カ月しか違わず(富永=2001年2月1日、河村=2001年5月2日)、アンダーカテゴリーの頃から日本代表として一緒にプレーしてきたこともあって、息が合っている。

 アシストパスの能力に秀でる河村は、ある意味で対象的な「根っからのスコアラー」である富永と同時にコートに立つことについて、こう語っている。

「彼のオフボールのスクリーンのもらい方には、すばらしいものがあります。彼は少しでも(スペースが)空けばシュートを打てる選手なので、それを見逃さないように、常に場所を把握するようにしています。

 彼とは高校生の頃から一緒に戦ってきて、ともにコートに立つ時間も長かったので、ほかの選手よりもお互い役割をわかり合っている。タイミングの取り方も高校生の時からお互いにやりあっているので、それはいいアドバンテージになると思っています」

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