F1新時代、2024年の焦点《後編》 国内2冠の宮田莉朋はF2からステップアップの可能性 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 また、スプリントの内容を見ればロングランペースがかなりはっきりとわかってしまうため、予選結果に関係なく決勝の展開が読めてしまうという弊害が大きすぎました。

 それだけでなく、金曜午後に予選を行なう従来のフォーマットも問題です。たった60分のフリー走行1回だけで予選に突入し、それ以降のセットアップが変更できなくなるため、チームにとっては負担が大きい。そのうえ、レース週末を通しての逆転が起きづらく、さらには車高セッティングの不備で失格といったデメリットも噴出しています。

 レースで最も盛り上がるポイントのひとつであるスタートとオープニングラップのバトルが見られるのはいいのですが、2周目以降はバトルが落ち着き、あとは淡々とロングランテストを走るだけのセッションになってしまっており、こうした様々な問題を解決するための方策を見つけ出す必要があります。

 スプリント週末をどのようなフォーマットで争うのかは、まだ決まっていません。昨年もスプリント初戦のアゼルバイジャンGP(第4戦)の現場でようやくフォーマットが確定したくらいなので、今年も中国GPの直前まで決まらない可能性もありそうです。

 いずれにしても、全員が満足するルールを見つけるのは難しいでしょうが、F1ファンを置き去りにしたルールにはしないでほしいなと思います。

【9】アメリカの名門「アンドレッティ」の参戦はいかに?

 2026年からのF1参戦を目指しているアメリカのレーシングチーム「アンドレッティ・オートスポーツ」。今年中には何らかの結論に達する見込みです。

 なぜなら、2026年に参戦するならば2025年にはマシン開発をスタートさせなければ間に合いませんし、そのための人員が揃っていなければ開発を進めることもできないからです。オーナーのマイケル・アンドレッティは2025年からの参戦も視野に入れていましたが、今年の春までに参戦が承認されなければ、少なくともそれは不可能になります。

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