角田裕毅の顔つきが変わった オランダGPはドライバーの腕が試される絶好の機会 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【課題はダウンフォース不足】

 自分がこれだけやれると、わかっていること。

 それをやるために、最大限の努力をしていること。

 そして実際に、結果につなげること。

 それが自信につながる──。夏休み明けの角田の表情や態度には、その自信がみなぎっているように感じられた。

 シーズン前半戦を通して、アルファタウリはフロアや前後ウイングなど様々なアップデートを投入してきた。だが、AT04を着実に進歩させることはできているものの、まだ足りていない部分もある。

「マシンバランスのキャラクター性と、ドラッグが少なくなってストレートスピードは少しよくなったなと思います。逆に足りていないのは、ドラッグ(空気抵抗の削減)と低速のダウンフォースですね。コーナーの進入から中間までのダウンフォースで、そこはシーズン序盤に抱えていた問題を完全には改善しきれていない状態です」

 第14戦オランダGPのザントフォールトは高速コーナーが多く、モナコとハンガリーに次いで最大ダウンフォース量がモノをいうサーキットだ。低速コーナーへのハードブレーキングはそれほど多くないものの、ダウンフォース量の乏しいアルファタウリは、特に予選で苦戦を強いられる可能性が高い。

 そしてオーバーテイクが難しいザントフォールトでは、誰もが予選に比重を置いて、より前方のグリッドを獲得しようと狙ってくる。

「ザントフォールトでは過去2回レースをしていますけど、去年はQ3に進めたものの、まだ一度も完走できていません。今週はそこをきちんとやりたいと思っています。

 すごく急なバンクつきコーナーだったり、特殊な要素があったり、低速と高速がミックスされたテクニカルなサーキットで僕は好きです。フィジカル的にもかなり厳しいサーキット。コース幅もすごく狭いですし、予選にかなり集中してレース週末を戦うことになりますが、ここまでのところ僕らは予選でかなり苦しんでいるので、そこがどうなるかですね」

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