「元祖日本一速い男」の目に涙。日産・カルソニックカラーが5年ぶりの復活V (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 そして、ふだんは厳しい表情の星野監督の目にも涙があふれていた。

「長い間勝てなくてイライラしていたんですけど、こうして勝つことができてホッとしました。いろいろな人が『星野さん、星野さん』って言って協力してくれて、タイヤに関しても急なリクエストを聞いてくれたりして......みんな積極的でした。だからこそ、結果で恩返しをしたい思いがありました。

 僕は古い昭和の生まれで"義理人情"で生きてきたから、それ(恩返しできたこと)がうれしくて......。今日は気持ちよく眠れるんじゃないかなと。本当にみんなの協力があっての勝利です」

 この優勝で平峰/松下組はドライバーズランキング6番手に浮上。トップとのポイント差は大きいが、残り3戦の結果次第では年間チャンピオンの可能性も残されている。星野監督は力強く語る。

「ホンダ、トヨタが速い時もあるので、そう簡単にいかない部分はある。だけど1戦1戦、全開でいく。(第6戦は)ウェイトが積まれることになるけど、次もがんばるよ!」

 今年のチーム・インパルは、星野監督の現役時代を彷彿とさせるような"攻めの走り"が蘇った。残り3戦、名門復活に向けて目が離せない。

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