小林可夢偉、WECとル・マンを語る「バカでは乗れないマシンです」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  photo by Kyodo News

 そのエネルギー回生システムをきちんと理解した上でドライブする頭脳も必要だと、可夢偉は語る。

「4輪駆動でフロントにもモーターが付いているので、ハンドリングは少し特殊です。アクセルを踏んだほうが(モーターの効果で)曲がることもある。でも、エネルギーを使いたいときに使ったからといってラップタイムが速くなるとは限らないし、ブレーキを奥まで我慢したほうが速いというわけでもないし、どこで我慢してどこでラップタイムを稼ぐか、エネルギー回生の仕方を考えて効率よく走らせないと速く走れないんです。バカでは乗れないカテゴリーですよ(笑)」

 以前からレーシングドライバーとして、「フォーミュラカー以外をドライブすることには興味がない」と明言してきた可夢偉だが、最先端のLMP1の速さと技術、そしてル・マン24時間レースの存在が彼を突き動かしたというわけだ。

 一方、チームとしてのトヨタは2014年にWECのチャンピオンに輝いたものの、昨年はライバルたちのマシン性能を読み誤ってしまい苦戦を強いられた。だが、今季に向けて新型車両TS050ハイブリッドを開発し、逆襲に燃えている。

 すでに欧州ではベース車両のテスト走行が始まっており、システムの完成に合わせて間もなく可夢偉もテストに合流する。

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