激戦の高松宮記念「スプリント王国」からやって来た刺客は本当に強いのか? (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu

 3月12日に来日した同馬は、18日まで千葉県白井の競馬学校で調整。同日、中京競馬場に移動して、翌19日には芝コースで追い切りを消化した。

 本来、この馬のルーティーンであれば、日曜日のレースなら木曜日が追い切り日となる。しかし、シャム調教師、鞍上のデレク・リョン騎手ともに、水曜日に地元でナイター開催があったため、2日前倒ししての追い切りとなった。

 この点についても、シャム調教師は「問題ない」と言う。

「来日1週前に、ダート1000mのバリアトライアル(実戦形式の調教)でラクに1着になっていますし、出発3日前にはロマンチックウォリアーと併せ馬を実施。そこで、実質的な仕上げはできています。(最終追い切りは)中京競馬場での感触と反応を確かめる内容だったので、まったく問題ありません」

 高松宮記念当日、香港では香港ダービーが開催され、管理馬が2頭出走するシャム調教師は中京競馬場に来場することはない。だが、日本を去る際に彼はこう言って、満面の笑みを見せた。

「ここにいなかったことを、一生後悔してしまうかも」

 香港随一の"海外通"調教師が手掛けるビクターザウィナー。群雄割拠の日本スプリント界を、あっさり制圧しても不思議ではない。

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