西村優菜「こんなにレベルが高いんだ」 苦しかった米ツアー1年目「何が正解なのかわからなくなった」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji

――もともと飛距離にこだわらず、「頭を使ったゴルフが好き」と公言されています。とはいえ、飛距離(パワー)の差を痛感することもあったのではないですか。

西村 正直、きつかったですね。特に、ポーリー・マック(24歳)という私と同じQスクールを通過して参戦したドイツの選手には、私のドライバーショットを2番アイアンで普通にキャリーオーバーされたこともありました。とにかく飛ばし屋はたくさんいます。

――そんな規格外の選手ばかりだと、つい自身も飛ばそうと力が入ってしまうのではないですか。

西村 飛距離は急激に伸びるものではないと割りきっているので、自分が磨けることを磨くしかないと思っています。同じ2打目でも、ずいぶんと後ろのほうから打つ私が先にピンに寄せられたら、(あとから打つ選手に対して)いくら飛んでいてもプレッシャーを与えられると思うので。

――アメリカにはどなたが帯同していたのでしょうか。

西村 母とマネジャーさんですね。もし私ひとりだったら、途中で帰国していたかもしれないぐらい、(ふたりの)存在はすごく大きかった。特に母とは、キッチンのあるホテルに泊まって、食事を作ってもらっていたので、食べ物のストレスがまったくなかったのは大きいです。

――アメリカで戦っていく手応えを感じたのはどれぐらいの時期でしょうか。

西村 9月に入って、一度、日本に帰った時ぐらいですね。

(つづく)◆西村優菜、予選落ちが続くも米ツアーでシード権を獲得できたワケ>>

西村優菜(にしむら・ゆな)
2000年8月4日生まれ。大阪府出身。2019年にプロテストに合格。2020-2021シーズンからツアー本格参戦を果たし、いきなりツアー4勝をマーク。賞金ランキング5位という結果を残す。2022シーズンもツアー2勝を飾って、メルセデスランキング5位、賞金ランキング2位という好成績で終えた。2023シーズンからは米ツアーに挑戦。厳しい条件下にありながら、CMEグローブ ポイントランキング48位となって今季シード権を獲得した。身長150cm。血液型O。

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