女子ツアーに異変!? ランキング上位の顔ぶれが昨季とはガラッと変わっているのはなぜか (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 実際、昨季の同時期のメルセデスランキングのトップ10入りしている選手のなかで、年間のドライビングディスタンスの最上位は1位の西郷真央さんで、19位(243.63ヤード)でした。それが今季は、現時点(6月11日現在)のドライビングディスタンスで上位に入っている選手が、メルセデスランキングのトップ10に数多く名を連ねています。3位の岩井明愛さん(ドライビングディスタンス9位/251.47ヤード)、4位の穴井詩さん(同1位/257.47ヤード)、5位の岩井千怜さん(同7位/252.98ヤード)らがそうです。

 私の感覚では、昨季は平均飛距離が235~245ヤードあたりの人が戦えるセッティングだったのが、今季は平均245~250ヤードくらい飛ぶ人じゃないと、厳しいようなセッティングになっている印象があります。昨季と今季のメルセデスランキング上位の顔ぶれを変えた、大きな要因のひとつになっているのではないでしょうか。

 メルセデスランキングのベスト10だけでなく、ベスト50位以内の顔ぶれを見ても、飛距離のある選手が目立つようになっています。フジサンケイレディスクラシックで優勝したメルセデスランキング21位の神谷そらさん(ドライビングディスタンス2位)、同23位の櫻井心那さん(同6位)、同25位の竹田麗央さん(同3位)らがいい例です。いずれも20歳前後の若手で、彼女たちの今後の活躍次第ではランキング上位の顔ぶれはさらに変化していくかもしれません。

 ところで、選手の低年齢化が進むなか、すなわち20歳前後の若い女子プロにとって、試合における精神面や情緒面でのコントロールは重要な課題です。その意味でも、人間関係が成績に与える影響は大きなものがあります。

 試合中で言えば、キャディーさんです。プレー中に揺れ動く選手のメンタルの動きを察知して、時に励ましながらポジティブな方向に助言するキャディーさんは、相性もあるかと思いますが、プレーヤーのいいものを引き出す影響力のある存在と言えます。

 年間を通して契約をしている選手以外は、キャディーさんとは試合ごとに契約をかわすことが多いので、昨季は調子のいい時に多くの試合で担いでもらったキャディーさんが、今季は他の選手と契約していて頼めなかった、という場合もあるでしょう。それが、成績に影響している可能性もあるかもしれません。

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