【木村和久連載】プロか、アマか、ゴルフ場はいったい誰のものか? (2ページ目)
日本人設計家による昔のコースは、いかんせん距離が短い。ただこれは、仕方のないことです。IP(インタークロスセクション・ポイント)という第1打の落下地点を、バックティーからでも240~260ヤードぐらいで設計していた時代ですから。300ヤードヒッターには、当然物足りないでしょう。
1934年に開場したオーガスタ・ナショナルGCがいまだ現役なのは、ときどき改造・改修して距離を伸ばし(現在7435ヤード)、ロングヒッター対策を念入りにやっているからです。
また、オーガスタ・ナショナルGCには、最近になってセミラフとなるファーストカットをこしらえましたが、もともとラフはありませんでした。その代わり、ハザードを効かせて、グリーンを速くし、距離を長めにとるなどして、難易度を高めるコンセプトにしているのです。
何にせよ、年に1回の試合のために造られたコースですから、実に手入れが行き届いています。贅沢っちゃ、贅沢ですよね。
そこで、今回のテーマです。ゴルフ場とはいったい誰のためのものか、というお話です。
年1回のトーナメントのために入念に整備しているオーガスタ・ナショナルGCをはじめ、今やアメリカの場合、プロの試合の開催を前提としたゴルフ場が多いかもしれません。
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