【ゴルフ】女子ツアーでアマ旋風が起きている「4つの要因」 (3ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 さらに、女子プロツアーの場合、アマチュア選手の主催者推薦などによる出場制限がなくなった。そのため、推薦を得られれば、何試合でも出られるようになった。出場試合数が増えれば、それだけ経験値も増すし、精神的な効果も計り知れない。先日の中京テレビ・ブリヂストンレディス(5月23日~25日/愛知県)でも優勝争いを演じた堀琴音が語る。

「プロの試合に多く出られるようになって、最近はあまり動揺しなくなりました。同じアマチュアの選手が多く出場していることもあって、普段の試合と同じような感覚でプレイできるのが大きいですね」

 また、プロゴルフコーチの中井学プロは、ゴルフという競技性において、ラウンド経験の豊富さはとても重要だと語る。

「例えば、テニスは対戦相手の体力や技量によって、勝敗は大きく左右されます。格闘技となれば、なおさらです。でもゴルフの場合、相手とコンタクトもしなければ、そのプレイから直接影響を受けることもない。対するのは、コースだけ。ですから、技量のアップにはラウンド数や試合経験の数がもっとも影響します」

 一般的に見ても、男性に比べて女性の場合、高校生ともなれば、体力的には大人と大差はない。その分、技術勝負となる女子ゴルフ界では、アマチュアでもプロに勝つことができるのだろう。

(3)JGAの育成体制の発展

 アマチュアゴルファーの躍進は、JGA(日本ゴルフ協会)のジュニア育成体制がしっかりしてきたことも大きな要因のひとつだ。森口祐子プロが語る。

「きっかけは、1999年にゴルフが国体の正式種目となったときでした。それから、各都道府県がジュニアゴルファーの育成に力を入れ始めました。その流れを受けて、数年前からJGAがジュニア育成に本腰を入れるようになった。女子部もメンタルとフィジカルのトレーニング指導などを、積極的に行なっているようです。要するに、ナショナルチームに入ることができれば、最先端の指導を無料で受けることができるわけです。それは、選手にとって大きなメリットですし、そうした指導体制が確立されているからこそ、次々と若くていい選手が出てきているのでしょう」

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