ベルギーリーグ所属の日本人11選手、今季は全員レギュラー格。開幕3試合それぞれが掴んだ現在地 (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

絶対の信頼がある森岡亮太

 セレッソ大阪からのレンタルでオーステンデに移籍したMF坂元達裕は、1月のデビューマッチで得意のドリブルからアシストを記録。結局、昨季はこの1アシストにとどまったものの、プレーの質に対するクラブの評価はものすごく高く、5月下旬に完全移籍を果たした。

 今回の契約後、ゴーティエ・ガナイェ会長は「タツ(坂元のこと)はスピードがあってドリブルがうまい。さらにとてもポリバレントなプレーヤーだ。言語、文化に馴染むのがものすごく大変だったにもかかわらず、タツはうちのチームのプレーに即座にインパクトを与えた」と現地紙に答えている。

 オーステンデでサイドアタッカー、2トップの一角、シャドーストライカー、左ウイングバックなどをこなす坂元は、第2節こそケガで招集外だったが、ここまで2試合に出場。第3節のシャルルロワ戦ではミドルパスで今季初アシストを記録した。

 今年31歳になったMF森岡亮太は実績十分。ベフェレン、アンデルレヒト、そして現在所属するシャルルロワと移り、今季がベルギーリーグ6季目となる。

 中盤のあらゆるポジションをこなす44番のテクニシャンは、昨季4ゴール10アシストを記録。ベルギーリーグ1年目(2017ー18シーズン、ベフェレンとアンデルレヒトでプレー)以来、久しぶりにアシストの数をふたケタに乗せた。守備面での貢献も、ベルギー国内では高く評価されている。

 第2節のユニオン戦を見るかぎり、まだ本調子とは言いがたい。第3節のオーステンデ戦では前半いっぱいでベンチに退いている。だが、彼ならこの先、しっかり調子を上げていくだろうという信頼がチーム内にはあるはずだ。それだけのステータスが、ベルギーでの森岡にはある。

 24歳のDF町田浩樹は左利きの大型CBということもあり、「将来の代表に」という声も聞こえてくる。今年1月に首位を走っていたユニオンに加入すると、リーチの長さとスピードを生かした守備で素質の高さを見せつけた。昨季のプレーオフ時にはレギュラーに定着し、ビッグゲームで戦い続けた。しかし、プレーオフ第4節のクラブ・ブルージュ戦で退場したのはもったいなかった。

 今季はケガで出遅れた。開幕戦でチーム広報に聞いたところ、「もうコウキは全体練習に戻っている。次節にはベンチに入るだろう」と語っていた。実際、レンジャーズとのCL予選3回戦第1レグでは、ベンチに座る町田の姿があったが、その後また負傷したようで、今は我慢の時だ。

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