「ハマれば強い」。ベルギーの優勝は、対戦国との相性次第? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 ポゼッションサッカーを志向するハンガリーは、GKを含め、DFラインから徹底してショートパスをつないで攻撃を組み立てようとする。だが、それでいて技術的には未熟で、ミスも多い。

 つまり、自分たちが守備の網を張るエリアまでおびき寄せ、ボールを奪ってカウンターを仕掛けるには、おあつらえ向きの相手だったのだ。

 先制した直後からベルギーのカウンターはおもしろいようにハマり、次々に決定機を作り出した。前半こそ1-0で折り返したが、実力差に加え、相性のよさは明らかだった。

 2点目を奪うまでには少々時間を要し、その間にはハンガリーに何度か危うい場面も作られたが、78分にCKから待望の追加点を奪うと、その後は狙い通りのカウンターからさらに2点を追加した。

 3点目は自陣ペナルティエリアでボールを奪ってからのロングカウンター、4点目は中盤で奪ってからのショートカウンターと、長短を使いこなす、いずれも鮮やかなカウンターアタックだった。

 MFアザールの別次元とでも言うべきスピードは簡単には止められないばかりか、ここにMFケビン・デ・ブルイネのスピードとテクニックまでが加わるのだから、カウンターの脅威は相当なものだ。ハンガリーは0-1のまま、80分までよく持ちこたえたものだと、むしろそちらを称えたくなる。

 カウンター巧者。ベルギーをそう表現して間違いあるまい。こういう試合展開になったら、ベルギーはかなり強い。

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