豪華アタッカー陣で3-0快勝も、ベルギーを優勝候補に推せない理由 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

「自分たちのFKからカウンターで失点。最初のゴールがものすごく重要だった」

 アイルランドのオニール監督がそう振り返ったように、先制点を境に試合の流れは大きくベルギーに傾いた。

 また、チーム全体として、ボールを奪われた瞬間の切り替えが遅く、すぐに守備のポジションを取らずに足を止めてしまう傾向が見られた。これでは簡単にカウンターを許してしまうのも仕方がない。

 アイルランド戦ではボランチに、イタリア戦で先発したMFラジャ・ナインゴランに代わって、MFムサ・デンベレを起用した理由について、「デンベレはボールをキープできる。(アクセル・)ヴィツェルと彼のどちらかひとりが、後ろに残るようにした」とヴィルモッツ監督。前掛かりになりがちだったチームに、攻守の安定性をもたらすことを優先した起用変更だったが、それでもまだ十分とは言えなかった。

 ある意味、表れるべくして表れる必然の二面性を持っているのが、今のベルギーだ。

 過去のユーロやワールドカップにおいて、豊富なタレントと攻撃力を売りに、高い前評判を得て大会に乗り込みながら、最終的に期待を裏切るケースはいくつもあった。

 例えば、1986年ワールドカップのデンマークや、1990年ワールドカップのコロンビア。また、2000年ユーロのチェコなども、それに当たるだろう。

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