「ドイツ人じゃないけど」連続ゴールの香川真司が感じたブンデスの文化 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝で敗退したこともあり、ドルトムントの選手は先週、2連休を与えられた。試合翌日のリカバリーを行なったあとの実質的には2日半の休み。しかもサプライズ的に与えられたものではなく、しっかりと予定に組み込まれたものだった。

 それは香川が「2連休のために5連戦したのかもって言ったらちょっと変だけど......」と言うほど、価値のある時間だった。その間、自身がブログなどで明かしているように、長友佑都や本田圭佑と会い時間をともにすることでリフレッシュしたという。

 確かにELやドイツ杯のため週2試合のペースが続いていた時期に比べ、チーム全体に躍動感があったように見える。優勝の可能性は現実的に薄く、モチベーションを保つのが難しい時期にコンディションを整え直すことができたという点では、トーマス・トゥヘル監督のマネージメント術のうまさなのかもしれない。

 この試合、勝敗とは別に香川が感じたのは「ひとつのサッカー文化なんだろうな」ということだった。

 試合前のウォーミングアップの時点で、スタンドからのブーイングが始まった。マッツ・フンメルスがバイエルンへの移籍希望を明らかにしたからだ。各種報道はこの件でもちきり。意思表明後初の試合だったからサポーターの反応は予想できることではあった。「みんながナーバスになるような状況。でもマッツを僕たちが理解しなければ」と、試合前の円陣では一つになろうという話をしてピッチに散らばったという。

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