公認誌編集長が語る「本田圭佑とミランに足りないもの」 (2ページ目)
最初の20分間のミランのプレイを見た時、私は「これはいける」と思った。ミランはアグレッシブに攻め、ジェレミー・メネスの2度の大チャンスもあった。しかし先週の勝利の立役者メネスも、今回はゴールを奪うまでには至らなかった。そうこうしているうちにだんだんとミランのプレイから輝きが消えていき、おかしいと感じた直後にあのジェノアのコーナーキックからのゴールである。またもヘディングシュートからの失点だ。
ミランのDFは今シーズン、すでに何度も空中戦でやられている。一体このミランに足りないものは何か? たぶん二重の意味での"頭"と90分間持続する集中力だと私は思う。
この試合でもまた本田はフル出場を果たせなかった。今回も71分にアンドレア・ポーリと交代。前日の練習は休んでおり体調不良もあったからなのかもしれないが、奇妙なほどにプレイにうまく絡むことができないでいた。守備に手間取り、なかなか攻撃に回ることができないという感じだ。
後半に入ってミランは試合を支配し、最終的なボールポセッションはミランが54%、ジェノアが46%。それでもミランは最後まで得点を奪うことはできなかった。アタッカーたちの最後の詰めも甘いし、彼らに危険なシュートを撃たせるための、後方の機敏な動きも足りなかった。なにより一番欠けていたのはベストコンディションの本田だったかもしれない。彼がチームメイトに出すチャンスボールはいつもより明らかに少なかった。
クリスマスの休暇に入る前に、ミランは現在5位のナポリと2位のローマと戦わなくてはならない。掛け値なしの厳しい試合だ。そしてこの試合の結果が、今シーズンのミランの行方を大きく左右することになるだろう。
ミラニスタたちはもうここ何年も、心の平安のないままクリスマスを過ごしている。この2試合に勝って今年こそは穏やかなクリスマスを迎えたいものだ。童心に返って今からサンタクロースにお願いをしておこうか? 本田にボールを、そしてミランに勝利を!
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