Jリーグ30年のベストイレブンは誰か? 長年ピッチを取材してきたベテランジャーナリストたちが選んだ11人

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識者が選んだJリーグ30年のベストイレブン 前編

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今年はJリーグ30周年。さまざまな選手の活躍が思い出されるなか、この30年のベストイレブンとなると、誰になるだろうか。ここではJリーグスタート時から現場で取材してきたベテラン記者・カメラマン5人に、それぞれの11人を選んでもらった。なお、外国籍選手の選出は11人中3名までとした。

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【ストイコビッチは30年で最も華のある外国人選手】

杉山茂樹(スポーツライター)

この記事に関連する写真を見るFW/エメルソン、ストイコビッチ 
MF/藤田俊哉、遠藤保仁 
MF/伊東輝悦、小笠原満男 
DF/三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王、中澤佑二、西大伍 
GK/チョン・ソンリョン

 GKはライバル関係にあった楢﨑正剛と川口能活のどちらかを選ぶ手もあったが、Jリーグのレベルアップを語る時、韓国人GKは外せない存在で、彼らに敬意を表し、その第1人者であるチョン・ソンリョンを推す。

 サイドバック(SB)は、左が三都主アレサンドロで右が西大伍。A代表歴82回の三都主に対し、西は2回。知る人ぞ知る好選手だ。また三都主をオーソドックスなSBとすれば西は異端派で、三都主を槍的だとすれば西は中盤的だ。今日的なSBと言い換えることもできる西が、筆者には眩しく映る。

 センターバックは中澤佑二と田中マルクス闘莉王。派手さと実力を兼ね備えた日本代表史にも名を刻む2人を選ぶことにするが、この欄で3人とされている外国人枠の制限がなければ、1995~99年に名古屋グランパスエイトでプレーしたトーレスと、1992〜95年にヴェルディ川崎でプレーしたペレイラを推したい。

 他方、中盤を日本人で固めることに勇気はいらない。GK、DF、MF、FWと大きく4つに分けられるポジションのなかで実際、好選手と言われる日本人はMFに偏っていた。

 1番手は遠藤保仁。欧州組には加わらなかったので出場試合数が多い。Jリーグを支えた最大の功労者と言える。攻撃的MFでは藤田俊哉が1番面白いプレーをした。中田英寿の陰に隠れ、代表チームで主役を張ることはなかったが、こちらもその分、Jリーグでは顔役として通っていた。

 後ろめのMFは伊東輝悦と小笠原満男だ。安定感抜群で地味ながら味のあるプレーをした伊東。小笠原はJリーグで最も多くのタイトルに輝いた鹿島アントラーズの看板選手としての価値も加わる。

 FWはドラガン・ストイコビッチを一番に挙げたい。過去30年、Jリーグに何人の外国人選手がやってきたか定かではないが、そのなかで最も華のある選手がストイコビッチであることは確かだ。

 世界的に名の知れた選手がJリーグにやってくる場合、それまでほぼベテランに限られていたが、彼が名古屋に来た時は20代で、日本のファンはその最盛期のプレーを拝むことになった。

 もう1人はエメルソン。特にゴールを量産した浦和レッズ時代の凄みのあるプレーはいまなお鮮烈に記憶される。次点は2018〜19年に柏レイソルでプレーしたオルンガ。世界的に無名の選手がJリーグを席巻する姿に、世界の広さを見せられた気がした。

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