現役最強! 福森晃斗が選ぶ、Jリーグ歴代フリーキッカートップ10。「到底追いつけない3人がいる」 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

「なに言ってるんだろう?」という蹴り方

7位/岩本輝雄(元ベルマーレ平塚、ベガルタ仙台ほか)

 岩本さんも、遠い距離からのストレート系のキックが印象的ですよね。個人的には巻いて決めるゴールは芸術だと思いますけど、ネットに突き刺さるようなゴールは、自分には想像もつかないので憧れてしまいます。

 ボスナーさんもそうですが、自分にできないキックを蹴れる選手に憧れることが多くて、岩本さんもそういった意味で選ばせていただきました。

 岩本さんのキックはストレートのなかでも地を這うように伸びて、下からホップしていくような質で飛んでいくイメージがあります。ああいったボールでしっかりとゴール枠を捉えられるのは、ものすごい技術やセンスだと思います。

 普通ならあれだけ強く叩くと、距離があった場合は枠を越えていく場合が多いんですけど、そこで枠を捉えながら四隅に蹴ることができるのは特別ですね。

6位/マテウス・カストロ(名古屋グランパス)

 マテウス選手がすごいのは、やっぱり無回転のキックですね。キッカーと壁の距離は9.15mあるんですけど、その距離を無回転キックでどうやって壁を越えて枠に入れることができるのか、ちょっと理解できないですね(笑)。

 今シーズン、厚別で試合をした時に、試合中に「どうやって蹴ってるの?」って聞いたんですよ。そうしたら「インサイドの面でボールを上げるんだよ」と言っていて、「なに言ってるんだろう?」と思いました(笑)。

 マテウス選手にしかわからない感覚があるんだと思いましたし、日本人とは筋肉のつき方が違うんだろうなと思います。インサイドであれだけ強く振れて、あれだけボールを浮かせることができるのは、ちょっと筋力の次元の違いを感じました。日本人にはマネできないと思います。

5位/駒野友一(元サンフレッチェ広島、FC今治ほか)

 駒野さんは日本代表でも実績がありますし、抜群のキックの精度を持った選手だと思います。僕が意識しているのが、DF登録でJリーグで一番FKを決めている駒野さんの10得点なんです。僕が今9得点で、駒野さんに追いつきたいという目標を持っているので選ばせていただきました。

 駒野さんのキックは、巻きながらもスピードのあるボールを蹴る印象があります。巻いたボールを蹴る時は、壁を越えてゆっくりとしたボールで枠に飛ばすタイプもいるんですが、駒野さんは鋭いボールで枠に飛ばすタイプで、僕と同タイプだと思っています。

 FKのキックは人によって、足の振り方、当てるポイントなど、本当にさまざまあるんですけど、駒野さんはそういったところも含めて自分とスタイルが似ているので、参考にさせていただいています。

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