「堂安律はバーゲンプライス」「板倉滉の大ファン」「吉田麻也は悲劇のヒーロー」。ドイツメディアが報じた日本代表への敬意 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【堂安を褒めるドイツ各紙】

 クロアチア戦が行なわれた12月5日の午前中、専門誌『キッカー』のオンライン版では堂安律(フライブルク)に関する記事が掲載された。タイトルはズバリ、『フライブルクはワールドカップの切り札・堂安をどのように釣り上げたのか』。

 同誌はそのなかで、堂安をベタ褒めしている。

「今季フライブルクで22試合に出場して、4ゴール4アシスト。(得点数とアシスト数は)まだ改善の余地があるものの、"172cmの俊敏な男"はほぼ常に右アウトサイドを任され、フライブルクの危険な攻撃の多くに関与している。1対1における彼のクオリティが、フライブルクの攻撃を新たな次元に引き上げているのだ。

 加えて堂安は、フライブルクの守備戦術を非常に早く身につけた。ワールドカップではドイツ戦とスペイン戦の2試合で"ジョーカー"として重要なゴールを決め、控え選手でありながら大活躍。フライブルクがPSVに支払った移籍金800万ユーロ(当時のレートで約11億3000万円)は、今になって考えればバーゲンプライスだ」

 クロアチア戦後のドイツメディアの報道をざっと眺めると、2010年に続きまたしてもPK戦で涙を飲んだ日本に対して、その論調はあまり抑揚がなく淡々としていた。まだ決勝トーナメント1回戦であること、すでにドイツが大会を去っていることなどが、その理由かもしれない。

「ドイツに恐怖を与えた日本は、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦で軟弱な神経を見せた。3本のPKを外した一方、クロアチアは4本のうち3本を決めた」(専門誌『フォーカス』)

「PK戦というドラマを経て、クロアチアが準々決勝へ。ドイツに恐れを与えた日本の旅は終わった。前回大会で準優勝だったクロアチアと激闘を繰り広げたが、最後は神経をすり減らした」(スポーツ専門チャンネル『Sport1』)

「グループステージでドイツとスペインに勝利した日本のワールドカップ物語は、ドラマチックな幕切れとなった。森保一監督率いるチームは、自分たちの緊張のせい、そしてGKドミニク・リヴァコヴィッチのせいで、クロアチアに敗れた」(スポーツ情報サイト『スポーツブザー』)

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