吉田正尚が抜けた穴を埋めるのは? オリックスOB星野伸之が森友哉の起用法と期待の若手外野手、開幕戦オーダーを語った (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――若手選手たちのモチベーションも上がりますね。

星野 オリックスの若手が伸びている要因のひとつだと思います。あと、僕が印象に残っているのがバッテリーの配球なんです。

 リーグ優勝した2021年のシーズン中に、ピッチャーの球が「ほとんど真ん中にいっているな」と思う時があったんですよ。それで伏見に「途中から、真ん中に構えてなかった?」と聞いたら、「よく見ていますね。監督から『(真ん中に)いけ』と言われて、『えっ、真ん中?』とも思ったのですが、開き直って真ん中に何回も構えました」と。

 中嶋監督は現役時代にキャッチャーだったので、その目線で「この真っ直ぐだったらいける」という場面はそう指示していたようです。投手コーチから言われるより、監督からの「いけ」という言葉のほうが後押しになりますよね。「打たれても俺の責任じゃない」くらいの気持ちで投げられるでしょうから。そこが他のチームとはちょっと違うんじゃないかと思います。

 どのように若手を引き上げ、どう吉田の穴を埋めていくのか。今シーズンも、中嶋監督の選手起用や采配から目が離せません。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

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