侍ジャパン・栗山英樹監督が明かす、大谷翔平WBC参戦までの舞台裏。殺し文句は「日本野球の将来のためだから」 (6ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Igarashi Kazuhiro

── そして鈴木誠也選手は、大谷選手と同い年です。彼の参加も大きいですよね。

栗山 誠也の場合、今のカブスが彼を中心に外野を考えているなかで、その責任をすごく感じているはずです。それでも日本のために難しい調整を強いられる覚悟をして駆けつけてくれる。その決断はものすごく重たかったと思います。翔平にしても同い年の誠也がいてくれるのは大きいでしょう。どうしたってメジャーリーガーが野手で翔平だけだと、みんなの輪から離れた感じになってしまう。それが野手に誠也と翔平がいて、ピッチャーにはダルと翔平がいてくれれば、チームの中で真ん中にいるべき選手がギュッ、ボーンといる感じになります。

── やっぱり大谷選手は2人なんですね(笑)。

栗山 それはそうですよ。だって10年前、「翔平は2人いる」と最初に言ったのは......。

── 監督でした(笑)。

栗山 ですよね(笑)。

後編につづく>>


栗山英樹(くりやま・ひでき)/1961年、東京都生まれ。創価高から東京学芸大を経て、84年ドラフト外でヤクルトに入団。89年には自己最多の125試合に出場し、ゴールデングラブ賞を獲得。90年の現役引退後は野球解説者、スポーツキャスターとして活躍。2012年から日本ハムの監督に就任し、1年目にリーグ制覇。16年には日本一を達成した。10年間日本ハムの監督を務めたあと、22年から侍ジャパンの監督に就任した。

【著者プロフィール】石田雄太(いしだ・ゆうた)

1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Nunber』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。

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