メジャーへ着々。ヤンキース加藤豪将、3年目の野心 (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Nikkan sports

 だが、増量は体力アップのためだけではなかった。打撃の質をあげるためにも体重を増やすことは必要と考えていた。

「体重を上げたのは、1年間、自分が思うようなバットコントロールをできるようになりたいためでもあります。レベルが上がると、ピッチャーもキャッチャーも頭が良くなってくる。そして、ピッチャーの投げる球はより速くなり、より動きます。対応するためにはもっとコンパクトなスイングが必要と感じました。コンパクトに強く振るためにも、体重を上げることが必要だと考えました」

 加藤はこのオフ、ニューヨークのメディアから「将来のヤンキースの正二塁手候補」として名前が挙がった。チームの若返りを目指すヤンキースは、このオフ、スティーブン・ドリュー(31歳)と1年契約を交わしたが、二塁のポジションはホゼ・ピレラ(25歳)とロバート・レフスナイダー(23歳)を競わせる方針で、近い将来、加藤がポジション争いに加わる可能性は十分に残されている。

「メジャーに近づくことが今年の目標です。1日、1日とうまくなっていけばメジャーに行けると信じています。ライバルがいても自分がライバル。自分との戦いです」

 加藤は1月19日(現地時間)からフロリダ州タンパで始まる10人ほどの若手有望株だけが集まるキャンプの招集を受けた。限りない可能性を秘めた20歳の2015年が始まる。

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