【MLB】ダルビッシュが挑むア・リーグ屈指のバッターたち (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 さらにヤンキースと並ぶ強打者揃いのボストン・レッドソックス戦も、楽しみなカードのひとつです。昨年のア・リーグ打率ベスト10には、エイドリアン・ゴンザレス(2位)、ジャコビー・エルズベリー(5位)、デビッド・オルティス(6位)、ダスティン・ペドロイア(7位)と、なんと4人ものレッドソックスの選手が入っています。昨年メジャー1位の得点数を誇る強力打線に、ダルビッシュ投手がどう立ち向かうのか。しかもレッドソックスには、ダルビッシュ投手を良く知るボビー・バレンタイン監督が就任したので、どんなことを仕掛けてくるのかも注目です。

 また、ヤンキースとレッドソックス以外にも、東地区で対戦の待ち遠しい選手がいます。トロント・ブルージェイズのホセ・バティスタです。2010年に54本、2011年に43本と、2年連続でメジャー最多のホームランを放ち、プホルスと並ぶ現役最強パワーヒッターなのは間違いありません。11.9打数に1本の割合で本塁打を量産し、さらに昨年は打率.302と確実性も増すなど、近年のバティスタは驚異的な成長を遂げています。また、ダルビッシュ投手は多彩な変化球を持っていますが、バティスタは現役最高の『ブレーキングボール(変化球)ヒッター』と呼ばれているのです。ブンブン振り回すイメージと違って変化球打ちが得意なので、ダルビッシュ投手はバティスタをどう攻略するのでしょうか。

 そして中地区では、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラと、ミネソタ・ツインズのジョー・マウアーとの対決にぜひとも注目してもらいたいです。2008年に本塁打王、2010年に打点王、そして昨年は打率.344で初の首位打者に輝いたカブレラは、ダルビッシュ投手にとって実にやっかいな選手となるでしょう。パワーとアベレージを兼ね備え、さらに選球眼も秀でており、出塁率は2年連続ア・リーグ1位を記録。さらにカブレラは、右バッターでありながら、まるで左バッターが引っ張ってライトスタンドに叩き込むような鋭い打球で、ボールをライトに運ぶパワーを持っています。非常に弱点の少ない選手なので、さすがのダルビッシュ投手も打撃メジャー3部門を制覇したカブレラには苦労するのではないでしょうか。

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