夏の甲子園を制するのはどの高校か 仙台育英は夏連覇へ戦力充実、そのほか優勝候補校と注目の選手たちは? (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

【チーム打率4割超えの智辯学園と履正社】

 智辯学園は奈良大会5試合で12本塁打、打率.410を記録した今大会屈指の強力打線。1番打者の松本大輝は先輩の阪神・前川右京に憧れる通算31本塁打のスラッガー。奈良大会では5試合で4発を放った。8番・捕手の高良鷹二郎も3本塁打を記録するなど、どこからでも一発の出る打線は脅威。最速146キロのエース・中山優月(ゆづき)ら投手陣がどこまで踏ん張れるかがカギとなりそうだ。

 夏の大阪大会で12連敗中(2020年の独自大会を除く)だった大阪桐蔭を破った履正社もチーム打率.401を記録した強打が売り物。3本塁打をマークした4番・森田大翔が引っ張る。また、大阪大会初戦でケガをして、センバツでは4番を打った坂根葉矢斗(さかね・はやと)の復帰が待たれる。

 投手陣は大阪桐蔭を3安打完封した150キロ左腕・福田幸之介と、170センチと小柄ながら140ロ台の速球が魅力の左腕・増田壮が安定。2019年以来の日本一を目指す戦力は揃っている。

 春の東北大会で仙台育英を破った八戸学院光星(青森)も力がある。右打者ながら右中間にも一発を打てる主砲の中澤恒貴は昨年よりも無駄な動きがなくなり、確実性を増した。1番から6番まで全員本塁打を打つ力がある。

 投手陣は左腕の二枚看板。昨夏の甲子園でも好投した洗平比呂(あらいだい・ひろ)と、岡本琉奨(るい)はともに最速140キロを超える。とくに洗平は制球力も安定。容易に失点を許さない。ただ、ともに2年生だけにスタミナに不安がある。

 南北海道大会6試合で5本塁打を量産した熊谷陽輝(はるき)を擁する北海も面白い存在。打線は全員がバットを短く持ち、コンパクトな振りを心がける。残塁の多さは気がかりだが、南北海道大会ではチーム打率.392をマークした。投手陣も最速147キロのエース・岡田彗斗(けいと)と、U−18日本代表候補(合宿は辞退)の熊谷の両右腕に加え、技巧派左腕の長内陽大(はるた)もおり、充実。上位進出も夢ではない。

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