夏の甲子園を制するのはどの高校か 仙台育英は夏連覇へ戦力充実、そのほか優勝候補校と注目の選手たちは? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 野手も昨夏からの1、2番コンビ・中堅手の橋本航河、遊撃手の山田脩也に加え、4番の斎藤陽(ひなた)、捕手の尾形樹人ら昨夏の経験者が残る。さらに大物打ちの斎藤敏哉が成長するなどパワーアップ。2連覇に死角のない陣容がそろった。投手中心の戦い方だけに来春以降の打力低下の影響を受けることはない。今夏も制するようなことがあれば、仙台育英の時代が続く可能性がある。

【超高校級スラッガーを擁する3校】

 では、仙台育英を止めるのはどこなのか。

"飛ぶバット"最終年となる今大会を象徴するかのように、高校球界を代表する大物スラッガーが甲子園出場を決めた。昨春のセンバツでも"ビッグ3"と話題になった史上最多の通算140本塁打を誇る花巻東・佐々木麟太郎、62本塁打の広陵・真鍋慧(けいた)、31本塁打の九州国際大付・佐倉侠史朗だ。

"ビッグ3"が所属する3チームのうち、もっとも頂点に近いのは昨秋の明治神宮大会準優勝、センバツベスト4の広陵だろう。

 エース右腕・高尾響が安定し、真鍋以外にも田上夏衣(たのうえ・かい)、小林隼翔(はやか)と3人のU−18日本代表候補を擁する。広島大会では真鍋が打率.250、小林が.222と不調だったのが気がかりだが、復調すれば悲願の夏初優勝(準優勝4度)が見えてくる。

 花巻東の佐々木も岩手大会では背中の違和感からノーアーチ(15打数5安打)に終わった。順調に回復していると伝えられているが、本来のスイングができる状態になっているか。投手は春に147キロをマークした2年生右腕の小松龍一が岩手大会決勝で17奪三振をマークするなど安定。岩手大会でエースナンバーをつけた北條慎治らほかの投手陣がどこまで小松をサポートできるか。

 九州国際大付の佐倉も福岡大会は0本塁打。打率は.435を記録したが、7三振と粗さが目立った。チームは7試合無失策の堅守。1点差で3試合を制するなど接戦を勝ち抜いた。

"ビッグ3"が所属するチーム以外にも強打のチームが集まる。

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