B-BOY ISSIN がパリ五輪予選に向け「すべてをダンスに捧げる」覚悟 バトルで身につけた勝つための意識も明かす (3ページ目)

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得意のフリーズを見せるISSIN  photo by Gunki Hiroshi得意のフリーズを見せるISSIN  photo by Gunki Hiroshiこの記事に関連する写真を見る

【目指すは会場イチのムーブ】

――11歳にして、Battle Of The Year JapanのU-15で優勝しています。当時の記憶はありますか。

 この優勝はひとつのターニングポイントですね。父が「小学6年までに大きなタイトルを獲らなければ、ダンスを辞めさせる」と言っていて、今となっては本当かどうかわかりませんが、僕はそれを真に受けてすごく焦っていました。こんな楽しいダンスを辞めるわけにはいかないと。それまでは全然勝てなくて、同世代の子たちは海外にもバトルしに行っていたのを見て、うらやましいなと思っていました。

 それでどうやったらいいんだろうと考えて、人と違うこと、誰もやっていないことは何だろうと意識して練習したら、このタイトルを獲れました。そこからはダンスがさらに楽しくなったし、勝ち方もだんだんわかってきて、今があるという感じですね。

――そこから大きなタイトルをいくつも獲ってきました。主なところだと、2022年のRed Bull BC One World Finalでのセミファイナル進出、今年2月には全日本選手権でShigekix選手を破っての優勝があります。どの大会がISSIN選手の分岐点になっていますか。

 ここ最近で言うと、やっぱり2022年のRed Bull BC One World Finalですね。その前にあったジャパンサイファー(Red Bull BC One Cypher Japan 2022)では、優勝したいとは考えていなくて、とりあえずこの会場のなかで一番いいムーブができたらいいなと思っていました。そうしたら、気づいたら決勝まで行っていて、そのままの流れで優勝できたんです。

 そこから優勝を考えるんじゃなくて、いくつもムーブがあるなかで、どれかのワンムーブでぶちかましてやろうという気持ちで戦うようになって、Red Bull BC One World Finalでの結果につながりました。ここには僕のデビュー戦みたいな気持ちで行っていたんですが、それがすごくよかったですね。

 それ以降、海外の大会に呼んでもらえるようになりしましたし、意識としても、自分はもっと世界を目指すべきなんだ、自分は世界を狙ってもいいんだと思えるようになりました。それまでは動画に出てくる世界的なダンサーに憧れを抱いていましたが、それからは倒したいと思うようになりましたね。

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