「2年連続の学生駅伝三冠も大事だけど...」 駒澤大・藤田敦史監督が選手たちの目標に対して伝えた言葉 (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 岡庭璃子●撮影 photo by Okaniwa Rico

●プレッシャーなくチャレンジできるように

ーー昨年度、学生駅伝三冠を成し遂げましたが、やはり今季の目標は下げるわけにはいかない。

 そうですね。鈴木芽吹がキャプテンに就任して、目標を立てた時にも、子どもたちからは自然と「2年連続の三冠」が出てきました。

 ただ、三冠ってそんなに簡単にできるものじゃないんですよね。まして2年連続となると......過去に4校がその偉業に挑んだわけですが、どこもできませんでした。それがいかに難しいかは、考えなくてもわかることですよね。

 仮に初戦の出雲を落としたりしたら、いきなり三冠の目標が潰えてしまうわけですから、その時にチームはどうなるのかな、と思いました。ですので、年度末のミーティングでは、「2年連続の三冠も大事だけど、前年度、三冠を達成した駒澤史上最強のチームに対する挑戦っていう意味合いの目標を立てたらどうかな?」って提案したんです。

 2年連続の三冠という目標には変わりないんですけどね(笑)。でも、言葉を変えることで、子どもたちがプレッシャーなく、チャレンジできるんじゃないかなって思いました。2年連続の三冠に挑戦できるだけの戦力は十分にあると思うので、あとはしっかり整えることができるかどうか。チーム一丸となって向かっていきたいですね。

この記事に関連する写真を見るーー三冠の難しさは、藤田監督ご自身も、学生時代に痛感されていることと思います。

 そうなんです。私が4年生の時が、最初に駒澤が三冠にチャレンジした年度でした。結局は、それが達成できなかったわけですから。でも、2年連続の偉業にチャレンジできるのは、我々、駒澤しか今回は権利がありません。そこを目指していくことは、今後のチームにとっても非常に大きな財産になるんじゃないかなと思います。

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