原晋監督のワクワク度、4月は0%も関東インカレを経て急上昇「駒澤大に勝つチャンスがあるのはうち」の根拠とは (3ページ目)

  • 小堀隆司●取材・文 text by Kohori Takashi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 今の時点で青学大の評判は決して高くないが、原監督はこう言って自信を覗かせる。

「ドイツに行ったのは、将来のエース候補たち。世界との差を痛感してショックは受けたようだけど、もっとやらなきゃいけないと前向きな気持ちで帰ってきてくれました。それとうちにはエース級以外の選手を育てる育成ノウハウもありますからね。今年のルーキーたちは1年から箱根に出られるほどの力はないけど、足の捌きがよかったり、素直さだったり、情熱がある。2年3年と学年を重ねていく過程で、きっといぶし銀の味を出してくれるでしょう。そうやって復路をきちんと走れる選手を育てていくのも大切なんです」

 秋の駅伝シーズンまではまだ時間がある。日々のトレーニングや今後の夏合宿などで、チームは大きく成長していくはずだ。

 来るべき駅伝シーズンで、再び青学大は主役になれるのだろうか、それともまた引き立て役に回るのか。はたして、今の時点で監督のワクワク度は何%だろう?

「関東インカレで意外とワクワク度は上がったからね。4月の段階では本当に0%だったのが、50、60くらいまで上がってきました。最初に言ったように今は駒澤さんの一強だけど、そこに勝つチャンスのある大学はいくつかある。そのなかでも箱根でチャンスがあるのはうちだと思うね」

 柔和な表情になって、こう続ける。

「まあそうは言っても、秋までに一気に戦力が上がるかもしれないし、あの時はああ言ったけどダメだったわってなるかもしれない(笑)。それはわからんけど、そうならないように頑張りますよ」

 この笑顔はおそらく、期待の裏返しだ。前々回の箱根王者は、虎視眈々と王座返り咲きを目論んでいる。

アディダス ジャパン●取材協力

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