駒澤大最強チームに「プレッシャーしかない」 藤田敦史新監督はママチャリ伴走1日80キロ...「大八木(弘明)も現場主義でしたから」 (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 岡庭璃子●撮影 photo by Okaniwa Rico

●舵取りひとつで結果が変わる責任

ーー藤田監督も、大八木氏と同じように、"子どもたち"という言葉を使われているのですね。

 大八木はずっと、学生を自分の子どもだと思って接してきました。地方から出てきた学生にとって、東京では我々が親代わりですから。何かあれば、親身になりますし、何よりも4年間かけて育てるということを念頭に置いて接するのは大事かなと思います。我々は、プロチームではないですから。

この記事に関連する写真を見るーー監督とコーチとでは、どんな点が大きく変わりましたか?

 まったく違いますよ! コーチというは、指揮官が舵(かじ)をとる際に、それがスムーズにいくように補佐をしたり、水面下でいろんな調整をしたりという役割だと思うんです。これまでの私は、大八木の方針、つまり舵取りのタイミングや方向などを一番に理解し、それをうまく噛み砕いて、学生たちに伝達する役割が大きかったんです。

 監督になると、舵をどっちの方向に切るかという判断を、毎日のように、その瞬間瞬間で決断していかなければなりません。自分の舵取りひとつで子どもたちの結果が変わっていくわけで、その責任を背負うことになります。監督になってまだ数カ月ですけど、その責任の重さを痛感しているところです。

ーー大八木氏は総監督という肩書になりました。

 今年2月くらいからは私が全体のメニューをつくり、鈴木芽吹(4年)、篠原倖太朗(3年)、佐藤圭汰(2年)の3人とOBの田澤廉(現・トヨタ自動車)は、大八木がメニューをつくっています。

 3人はほとんど個別メニューですが、全体の練習と似通っている時は一緒にやることもあります。この間、事前に話し合っていたわけではないんですけど、まさに同じメニューでした(笑)。私のなかに、染みついているものがあるんでしょうね。

 私はまだまだ新米の監督ですので、あれだけの実績を残した大八木がいてくれるのは心強い部分がありますね。何かあった時に相談できる存在がいるのは、非常にありがたい。

 現場は私が見ていますが、大八木の意向を伺いつつ、私の考えとつき合わせて、チームとしての方向性を決めています。それをコーチ陣にも理解してもらって、指導に当たっています。

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