箱根駅伝でシード権を逃した明治大。山本佑樹監督は「駒澤大の大八木さんのように、僕が変化していかなければ」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 そう話す山本監督は、これからの課題のひとつに各校のエース格の選手が走る2区と9区の強化も必要だと言う。

「3区から8区と、10区は2020年以降、明治大最高記録を塗り替えているけど、2区は2011年の鎧坂哲哉の記録、9区は2015年の木村慎の記録が残っているので、そこを塗り替えられるかがカギになってくると思います。

来年の2区に関しては、今回走れなかった児玉が最後の年ということで執念を持ってやるだろうし、1年の森下が『次は2区をやりたい』と言っているうえに、『4年ではマラソンをやりたい』と、さらに上のレベルを見ているので楽しみですね。

それに6区を走った堀も5000mは13分台で1万mは28分40秒90を持っているので、6区のスペシャリストになっても面白いかなと思います。5区を走った吉川も調子はすごくよくて平地区間だったら、森下と同じくらいの区間順位で走れたと思いますし、今回は山仕様の調整がやり切れなかったところもあったので、彼も主力になってくれる選手ですね。5区でリベンジしたいとも言っているので楽しみにしています」

 他にも今回エントリーメンバーには入りながらも走れなかった齋藤拓海(3年)や新谷紘ノ介(2年)、1万mで28分48秒台を出しながらも、12月の頭にケガをしてしまった曳田道斗(2年)など成長が楽しみな選手もいる。

「正直、箱根が終わって周りから厳しい言葉をもらって選手たちも落ち込んだけど、冷静に結果を振り返ってみると、いいところもずいぶんあったので、気持ちの切り替えはスムーズにできたと思います。うちの寮は部屋を一歩出ると外なので、12月になるとその寒暖差で体調を崩すこともありましたが、それも3月に新しい寮ができるので体調管理の面では改善されると思います。また1年前から入っているフィジカルトレーナーも、ようやく馴染んできたのでこれからプラスに転じると期待しています」

 こう話す山本監督は、昨年の反省から今年は新チームになってからの主将選出も遅らせている。

「早めに決めて主将にいろいろなことを背負わせたくないので、まずは選手それぞれの個人目標を明確にし、それをみんなで共有して頑張るという形にしたい。そのフォローにも僕が力を入れていかないといけないので、今まで以上にコミュニケーションをとる必要があるかなと。駒澤大の大八木弘明さんのように、こっちが変化していかなければダメかなと思っています」

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