箱根駅伝でシード権を逃した明治大。山本佑樹監督は「駒澤大の大八木さんのように、僕が変化していかなければ」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 今回の箱根は、全体を見ても9区で3位から9位までが接近する大混戦だった。6区の堀が59分33秒とまずまずの走りをし、7区の杉が区間賞を獲得したことを考えれば、往路がもう少しだけうまく流れていれば7区で5~6位争いには加われただろう。チームとしても、目標を5~6位にする力はあった。だが、「シード権獲得」と目標を控えめにしたことも裏目に出てしまったと言える。

「4年生主導でミーティングも頻繁にやり、目標設定シートも作ったり、本当に熱心に取り組んでシード権獲得ということにすごく強い気持ちを持っていました。ただ、順位を明確にしなかったことで、そこがぼやけてしまったというか。シード権といってもどういう走りをして、各区間どういう順位を狙っていくかというのが明確になっていなかったです。

 箱根が終わって振り返りをしましたが、3年生が主になっていくタイミングで選手たちからもそういう声が出てきました。もっと具体的に目標順位を設定して、それぞれの区間で自分がどういう順位を狙い、どういうタイムで走るかというのをきちんと出した方がいいと話しているので、そこは変わっていくと思います」

 明治大としては、持っている力を出し切れずに終わったレースで、山本監督も「シード権をずっと取れていないけど、今年の負け方はより悔しさもあるし、僕個人としても力不足を感じるというか、もう少しコントロールをうまくできていたらな、という思いはすごくある」と話す。

 ただ、区間賞2つの他にも区間ひと桁の走りが3区間あった。さらに関東インカレなどのトラックレースでも入賞者を出している結果を見れば、取り組みが間違っていないことは確認できている。あとは箱根に向けてどう合わせていくかだけ。

「力のある4年生が6人抜けることで戦力ダウンは否めないですが、うちの選手は1、2年で苦労して3、4年で上がってくる選手が多いのでそこに期待しています。春先はトラックで頑張らせて、持ちタイムを上げて選手層を厚くしなければいけないですが、今回3人出場した1年生は、けっこうレベルが高い選手が揃っていて横のつながりも強い学年なので、これからチームの核に育っていくと思っています。それに区間賞を獲った杉や、エースになる児玉という新4年生がいるチームバランスもいいと思います」

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