箱根駅伝のシード権争いは「3枠」を巡る大混戦か。予選会あがりの有力校、黄信号が灯っているシード校は? (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by SportsPressJP/アフロ

 早大は箱根予選会で4位だったが選手層が薄く、前回に区間ひと桁順位で走って残っているメンバーは4区の石塚と7区の鈴木創士(4年)のみ。箱根予選会の走りを見れば、井川、佐藤、伊藤の3人も戦力として計算できるが、他は未知数だ。スピードのある選手が多いチームだけに、残り2カ月でどこまで"箱根仕様"に仕上げることができるか。

 明治大は箱根予選会を2位で通過。全日本は9位に終わり、3年連続を狙った全日本でのシードを逃している。予選会校のなかでは東海大と並ぶ戦力があるが、東海大と異なり、箱根駅伝では明確な"攻撃ポイント"がない。現状ではやや箱根のシードは厳しい状況か。

 予選会をトップで通過した大東文化大は、5年ぶりの全日本で14位。1区のピーター・ワンジル(2年)が区間トップで飛び出したものの、2区で10位、3区で14位まで転落。4~6区で少し盛り返すも、終盤2区間でまた順位を落とした。かつては"山の大東"と呼ばれていたが、箱根出場は4年ぶりとなるだけに5区と6区の準備も万全ではないだろう。明大と同じくシード権獲得は簡単ではないと予想する。

 大東大以外にも、城西大、山梨学院大、専修大、国士館大はケニア人留学生を擁するチーム。往路を10位以内で折り返してシード権争いに加わりたいところだ。日体大はエース・藤本珠輝(4年)の復帰がカギ。立教大は現状、シード権は難しいが、新風を吹かせてくれるはずだ。

 現状は上記のような勢力図だが、今後の10000mやハーフマラソンの結果でチームはまだまだ変わっていく。優勝、上位争いだけでなく、シード権をめぐる戦いも要注目だ。

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