箱根駅伝のシード権争いは「3枠」を巡る大混戦か。予選会あがりの有力校、黄信号が灯っているシード校は? (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by SportsPressJP/アフロ

 残りは2枠。前回5位の東京国際大は、今季はピリッとしない。昨年に初出場・初優勝を飾った出雲はイェゴン・ヴィンセント(4年)を欠いた影響もあって8位。全日本もヴィンセントが外れ、もうひとりの留学生ルカ・ムセンビ(4年)が8区を走って区間6位、チームは11位と振るわなかった。

 エース・丹所健(4年)は2区を希望しているが、前回1区で7位の山谷昌也(4年)は出雲と全日本を欠場。箱根2区と3区で区間記録を持つヴィンセントと、山谷の復帰がなければシード権獲得は危ういかもしれない。逆に2人が万全な状態で入れば、往路をかきまわす存在になるはずだ。

 法政大は出雲で7位に入ったが、5区終了時では5位につけていた。全日本は選考会で落選したが、出雲のレース運びは上々だった。出雲より箱根に適正があるチームだけに、今回も10位前後でうまくレースを進めそうだ。

 前回9位の帝京大は出雲で11位。関東勢では最下位で関西学院大にも先着を許した。全日本は選考会で敗退しており、6年連続で箱根のシードを確保するのは簡単ではないだろう。

 全日本は早大が6位に入り、箱根予選会校で唯一、全日本のシード権(8位以内)を獲得した。6月に就任した花田勝彦監督が「前半4人は理想どおりだった」というように、間瀬田純平(1年)、井川龍人(4年)、石塚陽士(2年)、山口智規(1年)とつなぎ、4区終了時で2位につけた。しかし、5区・小指卓也(4年)が区間11位、6区・菖蒲敦司(3年)が区間15位に沈み、8位まで順位を落としている。7区・伊藤大志(2年)、8区・佐藤航希(3年)が順位をひとつずつあげたが、箱根は全日本ほどスームズにいかないだろう。

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