出雲駅伝で國學院大と中央大が作った「勝負ポイント」。エースと1年生の起用法でライバルを上回った (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by SportsPressJP/アフロ、Kyodo News

 2区・千守は駒大の佐藤圭汰(1年)にかわされるも、区間3位(区間新)と好走。3区・中野は区間7位と苦しんだが3位でタスキをつなげ、4区・阿部陽樹(2年)は区間3位で順位をキープ。5区・溜池の区間2位の快走で2位に浮上した。

 オーソドックスにオーダーを考えると、「吉居兄弟」の区間を入れ替えてもよかった。ただ、兄・大和の状態が万全ではなかったため、弟・駿恭が6区にまわった。今回、1年生で最長区間のアンカーを務めたのは吉居駿ただひとり。國學院大の伊地知に抜かされたものの、区間4位でまとめている。目標の3位以内を達成しただけでなく、今後に向けて期待のルーキーが貴重な経験を積んだのは大きい。

「今回はチャレンジングな戦いをしました。そのなかで3番を確保してくれたのは、強さが備わってきているところかなと思っています」と藤原監督。絶対エースの状態が上がってくれば、全日本、箱根では出雲以上にトップ争いに食い込むことができるだろう。

 次なる決戦は11月6日の全日本大学駅伝。出雲でメダルを獲得した國學院大と中大は伊勢路でも"勝負ポイント"を設けてくる可能性が高い。どんなレースを仕掛けてくるのか注目したい。

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