筋肉の「プロ」と「アマ」、その違いとは? 世界3位になった山田朝美は「やめたほうがいい」と言われてもプロを選んだ【2023年人気記事】 (3ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 柳岡創平●撮影 photo by Yanaoka Sohei

【海外が主戦場のプロの苦悩】

ーーその後の戦績は?

 コロナ禍になってしまったので、全然大会に出られなくなってしまい......。本当は1年に1回ペースでは出場したいのですが、大会が南米やヨーロッパなどの遠方や飛行機の便がほとんど出ていない小さな島国など行きにくい国で開催されることが多く、渡航がなかなか難しいですね。

 そんななかで昨年、ブラジルで開催された「IFBB エリートプロ 南アメリカショー」に出場しました。ですが、その大会では自分の納得のいく結果を残せなかったので、今はトレーニングについて再び基本から見直している段階です。

肩や背中の筋肉の重厚感が持ち味だ 写真/本人提供肩や背中の筋肉の重厚感が持ち味だ 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーープロとして今後の目標を教えてください。

 あくまでトレーニングの延長線上にコンテストがあって、そこで結果が出ればいいという気持ちでいます。だからプロとして結果を残すためにトレーニングをしているわけではないんです。

 それにIFBBエリートプロの最高峰の大会は知名度が高くはなく、もし優勝しても残念ながら日本国内で話題が出ることはないと思います。一方で、もうひとつの団体である「IFBBプロリーグ」は「オリンピア」といった有名な大会があります。

 日本人男性で「IFBBエリートプロ」カードを取得後、いったんアマチュアに戻って再度もうひとつの「IFBBプロ」カードを獲得した方がいらっしゃいます。私も日本人女性初のふたつのプロカードの獲得経験者を目指してみようかなと思うこともあります。

もともとはダイエット目的でトレーニングを始めたというもともとはダイエット目的でトレーニングを始めたというこの記事に関連する写真を見るーー山田さんはジム経営者としての顔も持っています。後編では、トレーニング人生と経営術について伺います。


後編<「やせているのがかわいいと思っていた」女性がなぜバキバキボディに? プロフィットネス選手・山田朝美の筋肉哲学>を読む


【プロフィール】
山田朝美 やまだ・あさみ 
日本人女性初の「IFBB エリートプロ」資格を持つボディフィットネスプロ。20代の時にダイエット目的でトレーニングを開始。2011年からパワーリフティングやベンチプレスの大会で頭角を現わし、2015年には「ミス21健康美大会」で総合優勝。2017年の「オールジャパン ミスボディフィットネス選手権」(158センチ以下級)で準優勝し、翌年の「アジア ボディビル&フィットネス選手権大会」ボディフィットネス部門オーバーオール(無差別級)3位。2018年にエリートプロカードを取得し、2019年にエリートプロが開催する「モントリオール プロショー」で3位。静岡県菊川市でスポーツジム「F-Class」を経営。

プロフィール

  • 武松佑季

    武松佑季 (たけまつ・ゆうき)

    雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。

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