グランプリ行きの切符を賭けた女子だけのGⅠ開催間近 ダークホース2人に立ちはだかるぶ厚い壁とは (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 出場選手が発表される前には、小林の周りでも「(ナショナルチームの選手が)『今回のGⅠに走るのかな』と結構みんなで話していた」と話題に上がっていたという。吉川も、「すごく重要視しなきゃいけない選手たちだと思います」とその存在を強く意識している。

 それを踏まえ、勝負のカギを握るのは、ともにスピードにあると考えている。

「(松戸競輪場の1周は)333mで(最も多い)400mよりも短いので、スピードレースになると想定しています。ナショナルチームの選手がいるので、確実にふだんよりスピードが上がるはず。だから自分の位置取りとスピードに遅れないことがカギになると思います」(小林)

「サトミナ(佐藤水菜)は、真後ろについても、そのままちぎれそう(離されそう)になるぐらい強烈なスピードなので、本当にすごいと思います。女子の選手の後ろについて、ちぎれそうになるのはなかなかないことです。だからスピード勝負になると思います。残り1周で最後尾にいたら、絶対に終わってしまうので、しっかり組み立てて、出遅れないようにしたいと思います」(吉川)

 小林も吉川も競走相手が強敵だからと言って、狙いがブレることはない。小林が「GⅠを獲ればグランプリ出場が決まるので、どうしても獲りたい1本。難しさはありますが、チャンスはあると思うので、優勝を狙いたいです」と語れば、吉川も「まずは決勝に乗ることを目標にして、チャンスがあれば、優勝も目指していきたいです」とともに頂点を狙う。
ガールズケイリン発展のために貢献してきた小林ガールズケイリン発展のために貢献してきた小林この記事に関連する写真を見る

【キャリアの充実期にいる2人】

 アスリートにとって30歳という年齢は、心技体ともに充実した時期に入る。2人とも競輪人生のなかで、今の状態をどう見ているのだろうか。小林はこう語る。

「正直、26~27歳くらいの時に、競技的にレベルアップするのはちょっときついかなと思ったんですが、競輪は面白くて、年齢に関係なく成長できることを学んだので、まだまだ成長できますし、もっとレベルアップできると信じています」(小林)

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