「劣等感の塊」だったガリガリモデル→フィジーク王者に! 直野賀優「見返してやるぞって気持ちでやれているんです」 (2ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 柳岡創平●撮影 photo by Yanaoka Sohei

【壁にぶつかりながらも一歩一歩】

ーーそして、2014年の「ベストボディ・ジャパン」が初コンテスト。そして「ミスター・ベストボディ部門」のフレッシャーズクラス(18歳〜29歳)でいきなり3位に輝いています。

 優勝すれば肩書きがついて仕事にもつながるだろうなと軽い気持ちで出場したんです。結果的に3位と好成績だったんですが、なんで自分が3位なのかもわからないくらいまわりのレベルが本当に高くて。そこでもまた劣等感にさいなまれました。

 ただ、まぐれだとしても結果を出したことで仕事の流れはよくなって、アンダーアーマーのウェブ広告モデルや、アークテリクスがカナダ大使館で開いた展示会のモデルといった仕事をもらえるようになりました。

「ベストボディ・ジャパン」からコンテストに参加し始めた 写真/本人提供「ベストボディ・ジャパン」からコンテストに参加し始めた 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーーそして、「ベストボディ・ジャパン」の2015年大会で2位、2016年大会で優勝を果たします。

 自信がついたから優勝した年にJBBFの「オールジャパン・フィットネスビキニ選手権」のメンズフィジークに出場してみたんです。今は、別団体の大会に同じ年に出場することはできませんが、当時はJBBFとベストボディ・ジャパン連盟に提携関係がありました。

 ですが、結果は予選落ちでした。メンズフィジークにいる選手は僕と同じように「ベストボディ・ジャパン」で勝ってきている選手。しかも、年齢で階級が分かれる「ベストボディ・ジャパン」と違ってJBBFは身長別だから上の世代のすごい選手と戦わなくちゃいけない。そこでも理想と現実のギャップに苦しみました。

ーーしかし、その反骨心をバネに「ベストボディ・ジャパン」の時と同様に、「オールジャパン」でも着実にステップアップ。2017年大会で6位、2018年大会で2位。そして、2019年から3連覇。自身の強みだと思う部分は?

 腕が太いことでしょうか。全体的に重厚感、迫力のある体になって、ステージに出てきた時の一発のインパクトのある、注目を集めやすい体になってきたかなと。そのうえで審査員にちゃんと仕上がっているという印象までつけられれば、もう抜け(弱点)がないんじゃないかなって思っています。

2022年の「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」 写真/本人提供2022年の「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーー身長は182センチ。ボディメイクは手足が長いと不利と言われていますが。

 個人的には関係ないと思いますね。もちろん、手足が長いとビジュアル的に丸くて太い体ができあがるまで時間がかかります。手足の長い選手と短い選手じゃ、同じ筋肉量だったとしても丸い風船とバルーンアートの風船くらい印象に差が出てきます。

 でも、だから何って感じです。確かに身長の高さや手足の長さはトレーニングがうまくなければデメリットになるけど、筋肉をしっかり発達させればフレームが大きいことはステージに立った時に圧倒的迫力となるので、ボディビルやフィジークではプラスになると思っています。

この記事に関連する写真を見る

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る