女子アスリートなら知っておきたい生理の症状に関する主な4つの対処法 伊藤華英「専門医に相談できる体制も整えてほしい」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

〇鎮痛剤
〇低用量ピル
〇黄体ホルモン療法(経口)
〇黄体ホルモン療法(子宮内黄体ホルモン放出システム)

「鎮痛剤」は月経痛を治療する薬です。飲むタイミングは痛みの兆候が出始めた時で、早めに飲むことをお勧めします。またアスリートであれば、ドーピング禁止物質が入っていないかを薬剤師に確認する必要があります。また個人でも調べることは可能です。GLOBAL DRO(The Global Drug Reference Online)というサイトで確認することができますので、飲む前に調べてみるといいでしょう。

「低用量ピル」()は月経痛や過多月経、月経前症候群などを治療する薬。最近では月経周期を調整するために使用するアスリートが増えています。トップアスリートでは、欧米の選手の使用率は比較的高いですが、日本ではまだ避妊薬というイメージが強いのか、欧米に比べると飲んでいる人が少ない印象です。ただ2012年のロンドンオリンピックから比較すると徐々に増えています。
※人によって合わない場合がありますので、専門家の先生との相談が必要です

「黄体ホルモン療法(経口)」は、そもそもの経血量を減らすことで月経痛や過多月経を治療する薬です。「黄体ホルモン療法(子宮内黄体ホルモン放出システム)」は、月経困難症、過多月経の治療として子宮内に挿入して使用します。一般的に出産経験のある女性に使われるものなのですが、人によっては出産経験がなくても使用している方もいます。

 ここに挙げた4つは、主な対処法であり、症状によってさまざまな対処法があることも知っておいてください。

 そして「漢方薬」も月経痛・月経不順などの治療薬として知られていますが、成分がすべて明確になっていないものもありますから、ドーピングの観点からアスリートは使用できないと考えてください。もちろん私のように競技シーンから離れてしまった人は飲んでも問題ありませんが、運動部活生なら飲まないようにしましょう。

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