ロコ・ソラーレ藤澤五月のカーリング人生。世界トップクラスに成長したスキップの「原点」【連載スタート!】 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

自他共に認める負けず嫌い

 カーリング以外でも、負けず嫌いな子でした。家族とトランプをやっていても勝つまでやりましたし、負けて泣いたこともあるかもしれません。

 ひとつだけ鮮明に覚えているのは、『ことばの教室』での出来事です。幼少の頃、私は少し滑舌が悪くて、特に"さ行"があんまりうまく発音できずに自分のことを「たつき」と言っていたらしいんですが、それを直すために同教室に通っていたんです。

 といっても、教室にはたくさんおもちゃがあったりして、どちらかといえば、遊びに行っていた感覚だったんですけど、ある時に『黒ひげ危機一発』みたいな感じの、ワニのおもちゃで遊んでいたんです。

 ワニの歯を順番に押していって噛まれたら負けなんですけど、私は何回目かでまんまとワニに噛まれ、ギャン泣きしてしまいました。ワニに噛まれてびっくりしたのと、負けてしまったことが二重にショックだったんだと思います。

 大泣きする私に先生が麦茶を飲ませてくれて、それで落ち着いたことまで覚えていますが、我ながらすごく単純な子ですよね。

 余談かもしれませんが、その麦茶をくれた先生は、北見市の辻直孝市長の奥様なんです。不思議な縁を感じています。

(つづく)

藤澤五月(ふじさわ・さつき)
1991年5月24日生まれ。北海道北見市出身。高校卒業後、中部電力入り。日本選手権4連覇(2011年~2014年)を果たすも、ソチ五輪出場は叶わなかった。2015年、ロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権で準優勝。2018年平昌五輪で銅メダル、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した。趣味はゴルフ。

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