伊藤みどりがフィギュアスケートの現状に「寂しく感じる」理由とは? 女子世界初のトリプルアクセルジャンパーが語るスケーター人生 (3ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 矢口 亨●撮影 photo by Yaguchi Toru

●セカンドキャリアで築いたアイスショーの礎

 トリプルアクセルを武器に数々の輝かしい功績を残した伊藤さん。日本のみならずアジアの女子選手が世界のトップで戦えることを証明し、フィギュアスケートの新時代の扉を開けた。

 その後引退し、プロになってからは滑ることが仕事に。伊藤さんのセカンドキャリアについては、山田満知子コーチから3つの選択肢を提案されたそう。

「プロスケーターの道もあるし、結婚してもいい、プリンスホテルに所属していたので働いてもいいよ、と。まず自分にやれることはプロになってショーに出ることかなとは思ったんですけど、すでにプロになるように導かれていたんですよ(笑)。

 アイスショーは今でこそ海外からメダリストが来てくれて華やかですけど、当時はまだまだ。『プリンスアイスワールドって何?』『アイスショーって何?』という時代でした。それを広めていくこともやりがいがある仕事でしたね。

 当時は北海道から九州まで公演していたので、知ってもらうために一年かけて全国を回っていました。いろんな人に見ていただくために、ガチャピンとムックと共演したり、『ファイナルファンタジー』(のプログラム)をやったりして試行錯誤していました。

 そういう礎を築いてこられたことは、やってきてよかったことのひとつです。32歳までトリプルアクセルを跳び、プロを引退。少しお休みしてからアダルトスケーターに。今は自分が楽しむことをしていこうという気持ちです」

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