井上尚弥の次戦が濃厚な相手ルイス・ネリをいとこの浩樹は「難敵」と分析「セオリー通りじゃないところが怖い」 (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【ネリの「怖い」部分は?】

――尚弥選手の次戦は5月6日、東京ドームでのルイス・ネリ戦が濃厚となっています。日本では、元WBC世界バンタム級王者の山中慎介さんと2度対戦し、ドーピング疑惑と体重超過という問題を起こしたこともあって「悪童」などと呼ばれていますが、どんなファイターだと見ていますか?

「パワーはありますね。それでいて、チャンスと見るやパンチをまとめてくる。ディフェンスもうまい部分があるので、かなり難敵じゃないかなと思います」

――例えばアフマダリエフと比べても、怖さはネリのほうがありますか?

「あると思いますね。野獣的なパンチといいますか、軌道がわかりにくかったり、型にハマっていなかったり......セオリー通りじゃないところが怖いですね」

――ネリ陣営のプロモーターが、尚弥選手について「サウスポーが苦手だ」とコメントをしていましたが、サウスポーを苦にしているイメージはありますか?

「ないですね。対サウスポーは、4戦して全員KOしてますから。逆に、判定決着になった3試合はすべてオーソドックス。サウスポーのタパレスが10ラウンドまでうまく戦ったのを見ての発言だとは思うんですけど、それはディフェンシブに戦ったから。尚弥の成績を見れば一目瞭然ですし、すでに『苦手な部分がある』という次元の選手ではない気がします」

――東京ドームでボクシングの試合が実現すれば、1990年2月11日のマイク・タイソンvsジェームズ・ダグラス以来、34年ぶりとなります。

「すごいと思う反面、同じボクサーとしては悔しさもあります。その悔しさを忘れちゃうと、自分の成長に繋がらないと思うので、悔しがりながら追いつけるようしたいです」

(後編:那須川天心のボクシング3戦目を総括「左のカウンターがうまい」「左ストレートやワンツーを当てるシーンが少ない」>>)

【プロフィール】
■井上浩樹(いのうえ・こうき)

1992年5月11日生まれ、神奈川県座間市出身。身長178cm。いとこの井上尚弥・拓真と共に、2人の父である真吾さんの指導で小3からボクシングを始める。アマチュア戦績は130戦112勝(60KO)18敗で通算5冠。2015年12月に大橋ジムでプロデビュー。2019年4月に日本スーパーライト級王座、同年12月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。2020年7月に日本同級タイトル戦で7回負傷TKO負けを喫し、引退を表明したが、2023年2月、約2年7カ月ぶりに復帰。8月、WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦に勝利。2024年2月22日に、東京・後楽園ホールで、東洋太平洋同級王者・永田大士との王座統一戦を控えている。18戦17勝(14KO)1敗。左ボクサーファイター。アニメやゲームが好きで、自他ともに認める「オタクボクサー」。

◆YouTubeチャンネル:「井上ころまる」はこちら>>

◆X(旧Twitter):@koromaru511「井上浩樹 Koki Inoue ヰ乃上ころまる」>>

◆大橋ボクシングジム:詳細はこちら>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る