井上尚弥が「6ラウンド以内にKOする」と竹原慎二はフルトン戦を予想 年内には2階級目の4団体統一が実現か? (4ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

【フルトンをKOするパンチは?】

――パンチ力もあると思いますが、井上選手のKO数が多い理由は何だと思いますか?

「要因はたくさんありますが、瞬発力や回転の速さもあると思いますし、最も重要なのはパンチが当たる瞬間のインパクトでしょうね。井上選手は、最大の衝撃が伝わる距離でパンチを的確に当てています。その角度やタイミングも含めて、インパクトの強さが彼の"パンチ力の強さ"だと思います。

 あと、上だけじゃなくボディーブローもめちゃくちゃうまいのも大きいですね。あのボディを打たれたらガードが自然と下がりますから、強烈な顔面へのパンチもヒットする。そのバリエーションも豊富ですが、それは練習の賜物です」

――フルトン選手との試合の話に戻りますが、試合のフィニッシュはどうなると予想しますか?

「予想では、最後は左ボディかなと思います。井上選手が得意なパターンで試合を終わらせるんじゃないかと。そう私も予想していますが、『勝って当たり前』という期待をかけられるのは、実は大きなプレッシャーになっているかもしれません。でも、毎回それを乗り越えている。本当に頑張っていると思いますよ」

――階級を上げ、いきなり2団体統一王者と対戦することを選んだ心意気についてはどう思いますか?

「いやーもうね、井上選手らしい選択ですよ。彼は、プロ入り6戦目で世界王座を獲得して、それ以降はずっと世界戦。彼からすれば、調整試合を挟む必要はないということですね」

――ちなみに、井上選手が勝ったら、その後の展開はどうなると見ていますか?

「今年4月にムロジョン・アフマダリエフに勝って、WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級王者になったマーロン・タパレス(フィリピン)と、年内に対戦するんじゃないですかね。スーパーバンタム級でも4団体統一。2階級で4団体統一王者という史上初の快挙を成し遂げるんじゃないかと」

――タパレス選手は、大方の予想を覆しての勝利でしたね。

「正直、アフダマリエフと井上選手の無敗対決が見たかったです(笑)。無敗の王者を倒しての4団体統一は魅力的でしたが、井上選手にとってはタパレスのほうが闘いやすいと思います。年内に、またすごい瞬間が見られるかもしれませんね」

――井上vsフルトンの一戦、竹原さんはどちらで観戦するんですか?

「『渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 ぶっちゃけチャンネル』で生配信しながら見ます。世紀の一戦を、存分に楽しみたいですね」


【プロフィール】
■竹原慎二(たけはら・しんじ)

1972年1月25日生まれ、広島県出身。1989年にプロボクサーとしてデビュー。1995年12月、「日本人では不可能」と言われていた世界ミドル級制覇を成し遂げる。1996年、左目網膜剥離のため現役引退。解説者だけでなく、タレントとして活動も開始し、テレビ・ラジオなどで幅広く活躍。人気バラエティ番組『ガチンコ!』のメイン企画"ファイトクラブ"で人気を集めた。

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