吉田沙保里のガチンコ合宿メニューに、女子柔道ホープもヘトヘト? (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文・撮影 text & photo by Miyazaki Toshiya

 16歳の阿部は、合同合宿を経験してこのような感想を述べた。

「レスリング選手が低い姿勢から攻めてくるのは、柔道でも外国人選手の攻めと同じ。いつもの練習以上に疲れましたが、いい勉強になりました。補強トレーニングはホントにキツかったですけど、柔道でも取り入れるといいかもしれませんね」

 一方、近藤や阿部とスパーリングをした吉田沙保里(選手兼代表コーチ/至学館大学副学長)は、柔道選手たちの習得力の速さを称賛した。

「スパーリングではタックルに入ったり、ローリングを極(き)めたりしましたが、2度、3度食らうと対応してくるところはさすがです。足を取って倒されてもすぐに立ち上がってくる足腰の強さは、レスリング選手も見習わなければなりません。

 マットではレスリング選手が優勢でしたけど、逆に柔道着になったら私たちはボコボコに投げられるでしょうね。それでも、お互いに負けたら悔しい。レスリングと柔道が切磋琢磨して、それぞれのいいところをミックスしたら最強です。レスリングでも柔道でも、世界で活躍して日本に貢献できる選手が多く出てくれるといいですね」

 他のレスリング選手たちも、合同合宿で柔道選手から何かを学ぼうと積極的だった。

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